3系統を混ぜて比べても選べない
「AI動画ツール」という括りには、性質のまったく違う3種類が含まれています。ここを分けないまま比較記事を読むと、自分の用途に合わないものを検討してしまいます。
| 系統 | やること | 代表 |
|---|---|---|
| 映像生成 | テキストや画像から映像素材をつくる | Runway/Kling/Pika |
| アバター | 人物が話す映像をつくる | HeyGen/Synthesia |
| 編集の効率化 | 撮った素材の編集を速くする | Descript |
評価軸は使える1本を得るまでの手数、商用利用の条件、料金と生成量の3つです。制作フロー全体での使い方は動画編集AIツールガイドで扱っています。
総合ランキング
1位:Runway
生成と編集の両方を扱えるのが決定的です。無料枠があり、Standard $15/月、Pro $35/月、Unlimited $95/月。映像を生成したあと、背景除去やインペイントで直せるため、素材づくりと仕上げを行き来する制作に合います。$15/月から使えるので、動画AIを試す最初の一歩としても妥当です。 → Runway の詳細
2位:Kling
映像生成に特化し、Free枠があり Standard $10/月、Pro $35/月。人物の動きの自然さで評価される場面が多く、短尺素材を量産する用途に向きます。生成のたびに結果が変わるため、使える1本を得るまでに数回必要です。クレジットの見積もりは必要本数の3〜5倍を見込んでください。Runway vs Klingで比較しています。 → Kling の詳細
3位:Pika
無料枠があり、Basic $10/月、Standard $35/月、Pro $95/月。この系統では低価格から始められます。短尺のSNS向け素材や、演出のアクセントとして数秒の映像が欲しい場合に費用対効果が高い。長尺や複雑な指示では上位に譲ります。 → Pika の詳細
4位:Luma Dream Machine
無料枠があり、Plus $30/月、Pro $90/月、Ultra $300/月。カメラの動きを含む映像の表現で評価されます。価格帯は上位より高めなので、生成する本数が少ない段階では下位のほうが合理的です。同じ提供元のLuma AIは3D生成の系統で別物です。 → Luma Dream Machine の詳細
5位:Veo
現時点では限定ベータでの提供で、一般に安定して使える状態ではありません。無料でアクセスできる枠がありますが、業務の制作フローに組み込む前提では計画できません。期待値で選ぶのではなく、使える状態になってから検討する対象として位置づけてください。 → Veo の詳細
6位:HeyGen
アバターが話す映像を作れます。無料枠があり、Creator $29/月、Business $149/月。研修動画や製品説明のように「人が説明する映像」を量産する用途で、撮影が不要になるインパクトが大きい。多言語での吹き替えにも対応します。映像素材の生成とは用途が別なので、上位と直接比較する対象ではありません。HeyGen vs Synthesiaで比較しています。 → HeyGen の詳細
7位:Synthesia
同じくアバター系で、法人向けの色が強い設計です。無料プランがありません(Starter $29/月、Creator $89/月、Enterprise は要問い合わせ)。試さずに契約する必要があるため順位はこの位置ですが、企業の研修コンテンツを継続的に作る体制ではテンプレートやブランド管理が効いてきます。 → Synthesia の詳細
8位:Descript
生成ではなく編集の効率化です。Free枠があり、Hobbyist $16/月、Creator $24/月、Business $50/月。文字起こしを編集すると映像も同時に切れるという発想で、対談やナレーション主体のコンテンツでは編集時間が大きく減ります。素材を生成したい人には向きませんが、撮った素材を扱う人には上位より効きます。 → Descript の詳細
目的別の最適解
| 目的 | 選ぶべきもの | 料金 |
|---|---|---|
| 生成と編集を1つで | Runway | 無料枠/$15/月 |
| 短尺素材を安く量産 | Pika/Kling | 無料枠/$10/月・$10/月 |
| 人が説明する映像 | HeyGen | 無料枠/$29/月 |
| 企業の研修コンテンツ | Synthesia | $29/月〜(無料なし) |
| 撮った素材の編集 | Descript | 無料枠/$24/月 |
| ナレーションを付ける | ElevenLabs | 無料枠/$6/月 |
順位より先に決めるべきこと
何本必要かを数える。クレジット制なので、月に必要な本数から逆算します。使える1本を得るまでに数回生成するのが前提なので、3〜5倍を見込んでください。ここを甘く見ると月半ばで枠が尽きます。
商用利用と解約後の扱いを確認する。無料プランでは商用利用が認められないことがあり、解約後に公開し続けてよいかも規約次第です。動画は長期間公開されるため、後者が特に重要です。
実写と混ぜるかを決める。生成映像と実写を同じ動画に入れると質感の差が目立ちます。全編生成にするか、アクセントとして数秒だけ使うか、方針を先に決めたほうが仕上がりが安定します。
人物の顔と声を扱う場合の同意。アバター系で実在の人物を再現する場合、本人の同意が前提です。声のクローンも同様です。この論点はAIのセキュリティリスク5類型で扱っています。
クリエイター向けツール全体はクリエイター向けAIツールランキング、条件から絞るなら無料診断を使ってください。
よくある質問
無料で試せますか?
Runway、Kling、Pika、Luma Dream Machine、HeyGen、Descriptに無料枠があります。Synthesiaには無料プランがありません。
思った通りの映像が出ません。
同じ指示でも毎回結果が変わるため、数回生成して選ぶのが前提です。指示は被写体・カメラの動き・時間帯・質感を分けて書くと安定します。長い1文で全部を指定すると意図が拡散します。
アバター系と生成系の違いは何ですか?
アバター系は「人が話す映像」を作るもので、原稿を渡すと読み上げる映像が出てきます。生成系は映像素材そのものを作るものです。研修や説明動画ならアバター系、演出用の素材なら生成系です。
Veoは使えますか?
現時点では限定ベータでの提供で、業務の制作フローに組み込む前提では計画できません。使える状態になってから検討する対象として見てください。
生成した動画は商用利用できますか?
プランによって条件が異なります。無料プランでは認められない場合があり、解約後の扱いも規約次第です。広告収益のある動画や納品物に使う前に必ず確認してください。